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三国志 [漫画]

横山光輝「三国志」を読みました。 

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中国の後漢末期から三国時代にかけて群雄割拠していた時代(180年頃 - 280年頃)の興亡史。
この作品は「三国志演義」(史書をベースにして後世創作された通俗小説)を基にしている。
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たしか高校生のとき、三国志演義が面白いと聞き、その本を手に取ったことがあります。
誰の訳かは覚えてないけど、分厚いハードカバーで上下巻の二冊にまとめられていました。
それなりに覚悟して挑んでみたんですが・・・漢字の多さ、文書の硬さ、登場人物の多さに
打ちのめされ、早々に挫折。
最初の「桃園の誓い」の章だけ読んで手放してしまったという恥ずかしい記憶があります。
でもこの歳になって、やっぱり内容ぐらいは知っておきたいな、という気持ちがわいてきまして。
そしたらこの漫画を読んでる人に出会い、あ、もしかして漫画ならつらつらっと読めるかな、
と思いつき。
(マンガで分かる○○、みたいなノリですね(^^;))
で、全60巻、図書館で借りて三ヶ月で読了しました。

この作品が書き始められたのは三十年以上前、漫画としては少し読みにくいかなと思ってたけど、
そんなでもないです。
登場人物が多く、顔の見分けもつきにくいけど、それは鎧や甲冑の違いで判断する。
あとヒゲの形も重要(笑)
ごつごつの鎧武者達がズバッ、バシッとやりあって、血が飛ぶ、首が飛ぶ。荒々しい描写満載です。

そんな力と力のぶつかりあう場面もなかなかにして見ごたえがあります。
でも、この物語の真骨頂は頭脳戦にあるのです。
頭脳戦というとかっこよく聞こえますが、要するにいかに相手をだますかですよ。
奇襲とか密告とか寝返りとか、偽装とか虚言とか暗殺とかのオンパレード。
しかもそういう手段を使っても、あまり悪びれたところがない。
「汚い手」を使っても、勝てばいいわけです。

「三国志演義」に基づいているので、蜀の劉備元徳は正義の人、魏の曹操孟徳は悪辣な野心家、
というスタンスが徹底されてます。
しかし、それにしても、いかにも曹操が小悪党だなぁ。
普段は偉そうなのに、窮地におちいると「ひーっ」とか叫んで血相変えて逃げまくる。
後半、諸葛孔明のライバルという位置づけになる司馬仲達も、魏側の人間にしてはかっこよく
描かれてるじゃん、と思いきや、戦闘シーンでは「ひーっ」&逃走、だし。
以前、モーニングで連載されてた蒼天航路という漫画でかっこいい曹操の姿を見たことがある
だけに、蜀が善で魏が悪という決めつけ(それが一般的な見方なんだろうけど)をした描かれ方に
違和感を感じてしまうのでした。
劉備も蒼天~のほうが面白みのある人物像だったな。
三国志の劉備は「私は公明正大な人間です!」って看板を首からぶらさげてる感じで
ちょっといれこめない。
そもそものことを言っちゃうと、戦争の理由(劉備や孔明のこだわり)が漢王朝の復興である、
というのも、いまひとつぴんと来ないというのが正直なところ。
王朝の正統なんてさ・・・そんなのすぐひっくりかえるのに。
その争いのために何十万もの人間がばたばた死ぬわけですよ。
孔明が南蛮行のときに言っていた、蛮族に徳の政治を広めようとしているのだっていうところは
少し応援できたかな。

劉備・関羽・張飛の三人組が亡くなったあと、孔明と仲達の戦いが展開される。
実は、物語としては孔明・仲達の対決に絞られた後半のほうが読みやすくて面白かった。
漫画では蜀の滅亡までしか描かれてないけど、実は姜維がそのあともいろいろ活躍する
みたいですね。
えっ司馬仲達の孫が魏を倒して晋を立国するの?へぇぇ~。

人間ドラマとしては物足りない部分もあるけど、これだけ長大な物語を、しかも外国の遠い昔の話を
漫画にしたというのは凄いことです。
いや、だって、漫画ってちゃんと絵にしなきゃいけないから。
小説だと「峠」とか「甲冑」で済むけど、それを実際絵にして描かなきゃいけないとなるとちゃんとした
下調べが必要でしょうし。
作者も、この漫画が連載開始された1971年当時は日中の国交が回復してなかった時期だから、
資料集めも苦労したとあとがきで言ってました。

故事成語の勉強にもなりました。
なんとなく意味を知ってるだけのものも、その言葉の背景をストーリー上でなぞることが出来て
よかったです。
三顧の礼、水魚の交わり、泣いて馬謖を斬る。あと、死せる孔明生ける仲達を走らす、なんてのも。
苦肉の策っていう言葉も三国志の影響なんですね。

ひとまずこれで、三国志のエッセンスはかじれた気がして、満足です。
この作品は完成まで15年もかかったんですって。
ほんと、漫画にしてくれてありがとう横山先生!


ハチミツとクローバー [漫画]

羽海野チカ「ハチミツとクローバー」を読みました。

青春。
恋っていいなー。

この漫画が紹介されるときよく「全員片思いのラブストーリー」というコピーがついていたので、ああ恋の駆け引きすれ違いがどうのこうのってやつか、と思って、読もうともしなかった。
が、偶然深夜のアニメを見る機会があり、続きが気になったので原作をひもといてみたら・・・もうこれが面白くて。
先週発売の10巻(完結)をいま読み終えて、目許をぬぐって、ひと段落ついたとこでコレ打ってます。

いやー、なにせ笑える。
ギャグ表現が突飛すぎるきらいもあるかな?青春スーツとかユニコーンの群れとか。私は楽しめたけど。
作者の楽しい試みをすんなりうけとれたのは僥倖です。
ハム中毒とか、もうたまんなかった。

そして、シリアスな部分もちゃんと描きこんである。
人間関係の変化は本当にゆっくりで、恋のゆくえもハラハラドキドキという見せ方ではない。
主要人物の誰もが何かしらの屈折を持っていて閉塞に向かうけど、それから徐々に立ち直り新たな道を見つけてゆく。
ほとんど全員のストーリーにかたをつけたのは、作者の潔癖さと優しさの表れである。
ほんと、優しさが満ち溢れてます。優しくされてこんなに泣けるなんて。
(こんなこと言っちゃってちょっと恥ずかしい三十路女)

あと、アニメ化に映画化といま話題になってるさなか、物語をだらだら延命することなくちゃんと終わらせたのもいい。

あえて言えば、モノローグ(ふきだし外の肉声)が多めかな。
縦横に二種類のモノローグが交錯する場面もあって、さすがにそこはちょっと読みづらい感があったけど、同じ人物の中で二つの感情がゆれている表現だから仕方ないと割り切った。
モノローグひとつで主体をいれかえられるのって、漫画の有効な表現方法だと思うし。

これだけモノローグが多くても陰にこもらないのは、頻繁におりこまれるギャグ描写のおかげでもあるが、ひとりひとりのキャラクターがちゃんと立っていて、中心人物の心象にそれぞれなりの反応を返せているからではないか。
モノローグの多用によるキャラクターの深み、犬から老人まで活躍するキャラクターの裾野の広さ、このバランスがうまくいっているので少女漫画にありがちな「ひとりよがり」感と無縁でいられたのではと思う。

とはいえ、ちょっと湿度が高めであることは間違いないので、女性はともかく男性はどう受け取るかしら。
と思ってたら、次回作は青少年向けの将棋漫画を描くという噂が!そうくるか!

作者の今後が非常に楽しみです。


夕凪の街 桜の国 [漫画]

こうの史代「夕凪の街 桜の国」を読みました。

思い人とはじめての口づけを交わす。その瞬間、まざまざとよみがえる光景。
「おまえの住む世界はそっちではない と誰かが言っている」
「あれから十年、しあわせだと思うたび、美しいと思うたび、愛しかった都市のすべてを、人のすべてを思い出し  すべて失った日に、引きずり戻される」
昭和55年、広島の物語。(注)

戦争の記憶を忘れるな。毎年夏になるとよく見聞きする言葉である。
はだしのゲンやホタルの墓、わざわざ目を背けたくなるような作品を作り、放送するのも、次世代に戦争の愚かしさを伝えたいからであろう。
でははたしてどれだけの老人たちが、自分の子孫に自らの経験を語っているだろうか。面と向かって直接に、である。
TVや映画はしょせんフィクションなのだ。ときにTVは彼方の地でいま行われている戦争を映すが、画面越しでどれほどそれを身近に感じることができようか。
戦争を知ることができるのはヴァーチャルでのみ。それだけでは、禁忌はたやすく破られ、また過ちを繰り返すのではないだろうか。
そんな恐れを抱くと同時に、口を閉ざす先達たちに私は正直少し歯がゆくも思っていた。

しかし、人間は忘れることで生きていける。
戦争体験者がその体験を話すというのはとても辛いことなのだ。
わかっているつもりだったが、私はその辛さを全然わかっていなかった。
この作品を読んでそのことに気がついた。

解説で、作者は劇中にでてくる原爆ドームについてこう記す。
「保存を決めた多くの被爆者の葛藤の末の勇気の象徴として、この建物は描きました」
この言葉がどれほど重いものか、この作品を読んだ後でなければ感じられなかっただろう。

「嬉しい?
 十年経ったけど
 原爆を落とした人はわたしを見て
 「やった!またひとり殺せた」
 とちゃんと思うてくれとる?」

(注)夕凪の街は昭和55年、桜の国はその40数年後、50数年後を舞台にしている。


営業ものがたり [漫画]

西原理恵子「営業ものがたり」を読みました。

2005年手塚治虫文化賞受賞の裏話やサイバラ版「PLUTO」とかシリアスな短編とかいろいろ収録。

浦沢ネタが笑えました。
「プルートは私でもよかったんじゃないの」
「だいたいいつまで読んでもまざんねえ交響楽みたいなまんが」
「浦沢ってのは漫画と一緒で話がながいんだよ」
このひがみの連続が素敵。
(でも浦沢ってほんと話ひっぱるよなぁ、、いや好きですって、PLUTO買ったって)

あとは岩井志麻子とか高須クリニックとか。
やっぱ西原は有名人とか権威のあるものをいじるネタが一番おもしろいなー、と。
下ネタのひよこ絵が可愛いっす。


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